トップに戻る


希望のレイノ

〔セルカ平原〕
オベリスク
・万物は六つのエレメントで構成される。火、水、風、土、光、闇がそれである。
 闇はもともとから存在するので、
 それを除いた五つのエレメントを森羅万象の五大元素と呼ぶ。
 この世界の物理学の基本である。
 キャラクターのエレメント属性は、生まれ持つ基本エレメントと装備品の属性によって決まる。
 同じ属性をより多く持つことで、その力を増大させることも可能だ。
 ただし、弱点となるエレメントから受ける影響も大きくなることを忘れないように。

・光のエレメント
 光は闇に強い。光は闇を払いのけるからである。

・闇のエレメント
 闇は火水風土に強く、光に弱い。
 闇は火水風土を相殺する力があり、光に払いのけられてしまうからである。

・風のエレメント
 風は土に強く、火に弱い。
 風は土を風化させ、火を燃え上がらせてしまうからである。

・水のエレメント
 水は火に強く、土に弱い。
 水は火を消し、土に染み込んでしまうからである。

・土のエレメント
 土は水に強く、風に弱い。
 土は水を染み込ませ、風に風化させられてしまうからである。

・火のエレメント
 火は風に強く、水に弱い。
 火は風によって燃え上がり、水によって消されてしまうからである。

十賢人の墓所
 エル・レイノ・デル・オリジェン 偉大なる十賢人。
 古き世界の終わりと新しき世界の始まりはまもなく訪れるだろう。
 十一人目の賢者はその導き手となろう。

・コロナの碑
 賢者コロナ、法の御使い。永遠に生き、来たるべき世界への鍵を握るもの。

・ディシムラードの碑
 賢者ディシムラード、理の御使い。十賢人の最長老。
 世界のコトワリを知り、それを伝えられる唯一の存在。

・サビドリアの碑
 賢者サビドリア、智の御使い。多くの智慧を持つ賢者。
 彼の説いた言葉は、民の不安を取り除いた。

・エンテンディエンドの碑
 賢者エンテンディエンド、共生の御使い。十賢人中最も人望の厚いもの。
 民のために尽くした賢者。それは影のごとく、最も民に近い存在であった。

・ミサリコルディアの碑
 賢者ミサリコルディア、慈の御使い。全ての者の母として、慕われる慈愛の賢者。
 神の吐息の進行を遅らせ、命に代えて民を逃した。

・ゼヴェロの碑
 賢者ゼヴェロ、制の御使い。バベルの知識を編纂し万古の記憶を蘇らせた賢者。
 迷走する民に知識の面から希望の光を示した。

・ベジェッサの碑
 賢者ベジェッサ、歌の御使い。美を愛し、音楽を愛する賢者。
 嬉しい時、悲しい時、いつもそばに賢者ベジェッサの音楽が溢れている。

・ヴィクトリアの碑
 賢者ヴィクトリア、慰の御使い。民族の隔たりを超え愛に満ちた賢者。
 深い森の奥に住み、魔から神木を守った。

・グロリアの碑
 賢者グロリア、剣の御使い。生涯をかけて未来を切り開いた孤高の剣士。
 魔に侵されようと彼の潔癖なる精神は曇ることはなかった。
 賢者グロリアこそ聖戦士と呼ぶに相応しい。

・ファンダシオンの碑
 賢者ファンダシオン、道標の御使い。星の運行と方位を知り、
 彼の行く先に暗雲の立ち込めることはなかった。
 滅びが静かに近づいたとき、民を指揮しレイノへと導いた。
 我らがこの地に住まうコトワリを得たのは賢者ファンダシオンのお陰であった。

・レイノの碑
 賢者レイノ、済世の御使い。
 全ての資材を投げ打ってエスペランサーを組織し、混沌に立ち向かった。
 黄昏の時代に沈む人々の心に、もう一度希望の光を与えた。
 それは、今なお膨張する闇に対抗する唯一の力となった。
 賢者レイノ、祖父セビオ=グランデの忌み名。祖父は、この十賢人の墓所に十一番目の碑を建て
 いにしえの賢者たちと共に奉られています。
 私は、この碑を見る度に、祖父という大きな存在を感じるのでした。

〔ファシル洞窟〕
オベリスク
・天より降り注ぐツァオバトの威光、至純をたたえる辺境の楽園。
 この日だまりの安らぎが、永遠に続くことを願い奉る。

・幾千もの時を越え、再び旅立つ汝に伝えよう。
 我々は、賢者ファンダシオンの導きにより、新たなる地を目指し、ヴィクトリアから南下した。
 背後から刻々と死界の淵は追っている。神の吐息に捕らわれれば、人は人としての尊厳を失うだろう。
 立ちはだかる砂漠を越えていく。灼熱と冷気に何度も何度も、打ちひしがれながら。
 多くの民は命を落とし、砂漠の砂となった。留まる者は神の吐息に呑まれ、いずこかへ消え去った。
 一行がデブリマ砂漠に差しかかったとき、賢者ファンダシオンの体力は限界を迎えていた。
 最後の力を振り絞り、まだ見ぬ東の空を指差しながら、
 「ツァオバトの守護する彼の地はすぐそこに在る。それらは我らの希望の王国となろう。レイノ・・・」
 そう呟いて天に召された。
 皆は別れを惜しむ間もなく、賢者の亡骸を丁重に火葬し、砂漠の中に埋葬した。
 汝が砂漠の中で、オベリスクを見つけることがあるなら、その下を調べるがよい。
 心強き彼の遺産が汝を助けるだろう。
 魔の住みかと化したファンダシオンを出、9回目の太陽が東から頭を出した頃。
 緑の風が優しく頬をなで、清清しい果実の香りを運んできた。
 そこには希望の王国へ続く洞窟があったのだ。
 我らはついに、安息を手に入れた。我らの王国レイノは、かくして始まった。

粘土板
・荒野ファンダシオンへの道はここに。
 黒き結界を張り、再び神の吐息が訪れし時に発現するよう、ここに隠す。
 来たるべき日のために。

〔ポコの林〕

石碑
・旅人よ、深淵を覗き見るものよ。
 汝が真実へ近づく知恵と、見定める目を持ったとき、再び訪れるがよい。
 智の結晶が実体を現すであろう。解釈は無限の枝葉へ伸びてゆくが、真実は一つである。

・失われた年代記 第一章
 王都のクレスタ=グランデ王は、魔のささやきに耳を傾けた。
 セヴェロの地には古代種ドゥヴェルガの聖域、エスメラルダ火山がある。
 そこには失われたドゥヴェルガの生き残りが住んでいると言うのだ。
 その血を手に入れれば永遠の命が手に入り、天地を含む三界を支配できると魔にささやかれ
 魔道の道に心を染められてしまった。
 クレスタ王は忘れ去られたセヴェロの地へ赴き、一人の娘を捕まえた。
 彼女はドゥヴェルガの血が濃くオスクロアールヴとも特徴が違っていた。
 ドゥヴェルガの成人身長は20メートルであるとされるが、彼女はそれほど大きくはなく、
 人間の女性より若干大きいと言う程度であった。
 交配によって生まれた変性種なのかもしれない。
 従者のオスクロアールヴ達は彼女を神として慕っていた。
 彼女の名はユミル。幼き体に不釣合いなほどの知恵者であり、自ら進んでクレスタ王に従い山を下りた。
 ドゥヴェルガの宝はエスメラルダ火山から王城へ移され、残されたオスクロアールヴ達は皆、始末された。
 ユミルは王城へ入り故郷の方角である北の塔へ幽閉された。

・失われた年代記 第二章
 クレスタ王の第三王子アクティードは深夜、王宮の庭園を散歩した。
 その折に北の塔に月を見つめて悲しく歌うユミルを見つけた。
 アクティードは瞬く間に幽閉されたその美しい女性に恋心を抱き、毎夜人々が寝静まると、
 北の塔へ向かいユミルに話しかけた。
 ユミルもまた、闇の中を彷徨うような過去の思い出から解放され、
 魂のおもむくまま、アクティードと心を重ねていくのだった。
 ユミルはアクティードに歌を教え、アクティードは音楽を学びそれを書き写した。
 彼女の愛はやがてアクティードの内なる芸術性を開花させ、素晴らしい音楽となって王宮を彩っていった。
 幸せに満ちた時間がそこにはあった。そしてユミルのお腹の中には新しい命が宿っていた。

・失われた年代記 第三章
 ユミルが王都に来て二年、クレスタ王は終に三界支配の闇聖剣ダインスレイヴを手に入れるため、
 闇の儀式を復活させる。星の心臓の膨大なエネルギーとユミルがあれば儀式は成功する。
 そして儀式はいよいよ実行に移された。
 ユミルはクレスタ王と宰相モーリアの指示に従い古式に則り、みごと闇聖剣ダインスレイヴを手にする。
 しかしダインスレイヴは星の心臓を黒く染め、そのマナの流れを神の吐息へと変えてしまう。
 宰相モーリアは消え去り、王都の民は皆魔物と化していった。
 クレスタ王も暗黒の欲に満たされた化け物と化し、怯えるユミルに近づいた。
 不定形のスライムのようになった王は本能だけの存在となり、ユミルの体を取り込もうとする。
 ユミルはなすすべもなく暗黒のスライムに飲まれてしまう。
 やがてユミルと融合したクレスタ王は正気を取り戻す。
 その手には闇聖剣ダインスレイブが握られていた。
 そして魔王へと姿を変えた自分を呪い、後悔するのだった。

・失われた年代記 第四章
 星の心臓が暴走し黒い閃光を発すると大崩壊が始まった。
 いち早く異変に気づいた第二皇子ディフキルムは、生き延びた王族と民をまとめ王都を脱出した。
 その中にはユミルとアクティードの子、ペカードもいた。
 大崩壊は正常なマナの泉にも作用し、世界はマナの嵐に切り裂かれた。
 王とはダインスレイヴの力にひきずられ神の吐息に包まれたまま、魔界へめり込んでいった。
 やがて王都のあった場所は空間ごと閉じられ、それがどこにあったのかすら分からなくなってしまった。
 王族たちは神の地の所在を民衆の中に紛れさせ、身分を隠すことを誓い、
 九人の賢者として余生を送ることとなる。
 これが以後千年に渡り秘密にされた十戒人の誓いである。

・失われた年代記 第五章
 神の吐息に触れた者は魔物化する。この事実を突きつけられた民は、
 西を目指すグループと北を目指すグループとに分けられ、二手に分かれて逃げる事となった。
 第一王女のアルレデートは兄弟の仲で一番若かったが、幼子レアルタードと乳のみ子ネベガシオン、
 そして生まれたばかりのペカードを連れていた。
 汚染されていないマナの地を求め、第一王子のソームラ、
 その祖父ナーダと叔父ヴァーグはサビドリアを目指し、
 その他の者は北の果てのセヴェロを目指して旅立った。
 セヴェロに残る神代の記述には神の吐息に対抗する手立てが遺されているかもしれない。
 その後、ナーダは王都付近で神の吐息の闇に呑まれてしまった。
 ソームラは王都の南西に位置するエンテンディエンドで民を庇い息絶えた。
 ヴァーグはサビドリアの猛暑に命を落とした。
 後に彼らは賢者ディシムラード、賢者エンテンディエンド、賢者サビドリアの名で語り継がれる。

・失われた年代記 第六章
 セヴェロを目指す一行は、ミサリコルディアに到着した。
 しかし既にマナの泉は侵食され、神の吐息を溢れさせていた。
 ミサリコルディアの海上都市アトランティスにはオリハルコンという大切な資源がある。
 これを魔族に渡す訳にはいかない。渡してしまえば世界は瞬く間に魔族の手に落ちてしまう。
 魔族とオリハルコンの扱いに長けた王妃バードエルは、
 神の吐息に対抗するためミサリコルディアに残ることを決意した。
 その決意に大盗賊セルバンテスが同調し名乗りを上げた。
 母に別れを告げ、第二王子ディフキルム率いる一行はセヴェロを目指し旅立った。
 使命を全うしたセルバンテスはラピュータの守護神ツァオバトの威光に焼かれて絶命した。
 そして、アトランティスに残った王妃もまた、神の吐息の前に力を使い果たし倒れてしまう。
 後に賢者ミサリコルディアは気高く美しく優しい母として描かれ、人々の間に伝わった。

・失われた年代記 第七章
 アトランティスで神の吐息を食い止めたことによって、神の吐息の侵食はゆるやかなものになっていた。
 ディフキルムに従ってセヴェロを目指した民も、ディオス障壁を越える頃には半数になっていた。
 民の疲労はピークをむかえ次々と挫折していった。
 霊峰セヴェロにそびえ立つ高層塔バベルは神の地と呼ばれるに相応しい荘厳さであった。
 ディフキルム達は神代の記述をくまなく調べ、やがて神聖剣エクスカリバーの存在を知ることとなる。
 それを手に入れるためにはグロリアの地で戴冠の儀式を行う必要がある。
 だが、この時代の王位継承には戴冠の儀式は執り行われていなかったのだ。
 戴冠の儀式を成就するには神器と様々な知識が必要である。
 エクスカリバーを求める旅は第三王子アクティードに託された。
 ディフキルムはバベルに留まり、更に深淵なる知識を求め没頭する。
 いつしか彼は神代以前の書物をも読むことが出来るようになったという。
 後に人々は彼を賢者セヴェロと呼び、知恵の神として崇めた。

・失われた年代記 第八章
 セヴェロから先へ向かう民はさらに少なくなった。
 麗しのベジェッサへ着いたアクティードはユミルに生き写しの魔物に誘われ、
 ペカードを連れて一行の中から姿を消す。
 ユミルと再会したつもりになったアクティードはベジェッサの地で多くの音楽作品を残した。
 そしていつしかユミルに似た魔物に精気を吸い尽くされ、亡くなってしまう。
 夜魔リャナンシーと賢者ベジェッサの伝説はここから生まれた。
 やがてサンダリオ石舞台付近でユミルに似た魔物と暮らす
 ペカードを見つけた王都の宰相は、ペカードを連れ去ってしまう。

・失われた年代記 第九章
 第一王女アルレデート率いる一行はヴィクトリアに到着した。
 ヴィクトリアは既にアールヴ族で溢れていた。
 アールヴはツァオバトの守護する土地では生きられないと言われているため、
 これ以上南下することをためらっているのだ。
 幸いユグドラシルに守られた聖地は至純を湛えていたため、
 アルレデートはマナの力を使い、ユグドラシルを守ることを思いつく。
 魔術に長けた王妃の子であるアルレデートの力はすばらしく、
 アルレデートが生きている間はマナシールドを自由に操ることが出来た。
 神の吐息はシールドの流れに巻き込まれ浸透できない。
 アルレデートはユグドラシルを離れることが出来なくなったため、
 息子のレアルタードにエクスカリバーの調査を任せることにした。
 この時既にレアルタードは28歳、ネベガシオンは22歳になっていた。
 後にアルレデートは賢者ヴィクトリアと呼ばれ森の母としてアールヴたちにも慕われる存在となった。

・失われた年代記 第十章
 レアルタードは数名の従者と共に単身グロリアへ向かった。
 王家の秘法を全て手に入れるまでには長い月日が費やされた。
 彼の体は魔物化が進み、徐々に人ではない者へと変化していった。
 いつしか従者も倒れ、唯一人となっても諦めずにエクスカリバーを求めた。
 彼は戴冠の儀式を一人で行い、ついにエクスカリバーを手に入れた。
 約500年ぶりに真王グロリア王がここに誕生したのだった。
 エクスカリバーを手に母の待つヴィクトリアに戻った頃、彼は70歳になっていた。
 人々は魔物の体になって帰ってきたレアルタードに驚き、悲しんだ。
 母は既にこの世を去り、ネベガシオンは妻や子に囲まれる初老の老人になっていた。
 ネベガシオンら残された民はユグドラシルの側でレアルタードの帰還を待っていた。
 母無き今となってはユグドラシルに帰ることも出来ない。
 神の吐息の届かないこの場所で新天地へと旅立つ準備をしていたのだ。
 ネベガシオンと再会したレアルタードは、再び共に南を目指す。
 ファンダシオンに着いたレアルタードとネベガシオンは
 エクスカリバーの力で結界を切り裂きハイブラシルのマナの泉を開放した。
 レアルタードは役目を終えると、母の地であるへ向かい、迷い森の番人となった。
 母の墓所でもあるユグドラシルを守るために。
 エクスカリバー探索に人生の全てを捧げた賢者グロリアの孤独で悲しい生き様は
 最後の王の物語となって人々に語り継がれ、歴史書には王の血族の断絶として記されることとなった。

・失われた年代記 第十一章
 ネベガシオンと生き延びた民は再び徐々に侵食されるファンダシオンを捨て、
 ツァオバトの住むというイムプロ山脈へ足を進めることにした。このままでは滅びを待つしかないからだ。
 ネベガシオンはこの時82歳になっていた。
 ルミノッソの町から出てデプリマ砂漠を越える途中、
 ネベガシオンは彼の地を指差し、何かを呟きながら天に召された。
 やがて9日を経てイムプロ山脈に到着し、ファシル洞窟を発見。
 先にこの地に逃げ延びた人々たちと合流し、力を合わせて住みやすい土地を作り始めた。
 こうして希望のレイノは始まった。
 のちにネベガシオンは賢者ファンダシオンと呼ばれ、航海術の神として慕われた。

〔イムプロ峡谷〕
石碑
・ここは祖父ゼビオ=グランデが絶命した場所。
 ここは、お爺様が命と引き替えに黒き龍を封じた場所。お爺様が亡くなってから、もう2年。
 おや・・・何かが落ちています。
 お爺様・・・。

〔浮遊島ラピュータ〕
石碑
・親愛なる息子よ、後は任せたぜ
 石碑にはペンダントがかけられています。

・(旧神代文字)時代は神代から人代へ変わった。
 我々耕すものであるヒトガタもこの地を去る時が来た。
 いよいよニルヴァーナへと向かう黄昏の時代が幕を開けるのである。
 やがてある男の乱心により世界は闇へと落ち、そしてニルヴァーナが成就される。
 ニルヴァーナが成就すると、そのニルヴァーナは保管され新しいニルヴァーナの準備が始まる。
 神の計画は、まるで日が昇り日が沈むように永遠と続くのである。
 この碑文を読むものよ、貴方がこの輪廻の世界を脱するために必要なのは
 王の品格と真の純潔のみである。貴方は人を殺してはならない。
 神の使いであるユニコーンを殺してはならない。

・(旧神代文字)神の計画は永遠と続く輪廻のように、無限に繰り返されている。
 それは我々が生まれて死ぬまでに理解できるようなものではなく、
 悠久の時の中でしか感じることが出来ないものだ。
 半不死のドゥヴェルガ族がそのことに疑問を持ち、神々に戦いを挑んだ。
 しかしそれは身を滅ぼす結果となった。彼らは神の名の元に根絶やしにされた。
 時は移り変わり我々ヒトガタが支配する世界が始まった。かくして、新しい時代は幕を開けた。
 天界の神柱たちも神の計画の駒を一つ進めたのだ。
 その変化は早く来るか遅く来るかの違いでしかない。
 天井では既に決定されている出来事であるかのように一方通行に進むのみである。
 我々がこの輪廻から逃れる日のことをニルヴァーナと呼ぶが、このニルヴァーナですら
 神の計画の一部に過ぎないことを知るものはいないであろう。

オベリスク
・(旧神代文字)天界の三神柱は創造、維持、破壊である。
 この世界を守るのは維持の神柱ヴィシュヌ。
 ヴィシュヌは創造の神柱ブラフマーと破壊の神柱シヴァを生んだ最上位の神柱。
 この地をいつまでも見守られている。

荒野のファンダシオン

〔セコ渓谷〕
石碑
・王家の権威は衰え、太陽と月と星の信仰はこの世から消えてしまった。

オベリスク
・この地もまた、我々の安息地ではなかった。レイノを求め再び旅を続けよう。

〔エンティエレ廃道〕
石碑(神代文字)
・高山は毒の青い水を作り出す。セニザス川は鉱山の毒で魚の住まない川になった。
 付近一帯の穀物もその毒に侵されてしまった。以後この山は閉山し、再び立ち入らぬよう入り口を破壊した。

〔ルミノッソ地下遺跡〕
・星は太陽と月の子ら。我らに希望を与える者。
 星がまだ見ぬ地レイノの場所を教えてくれるのだと老賢人は言う。

・月は安息。我らに癒しを与える者。我々の世界を優しく照らし、涼風で癒してくれる。
 ここは月の神ルナに守られし地、荒野ファンダシオン。

・太陽は試練。我らに苦痛を与える者。厳しさの象徴であった。
 我々は日の昇らぬ世界を夢見、地下に住処を求めた。
 この地下遺跡は「月の都」だったようです。王家に伝わる月の信仰とは全く逆転しています。
 灼熱の砂漠が信仰を歪めてしまったのかもしれません。
 セコ渓谷の碑文に見られた、太陽と月と星の信仰が失われたとは、
 ルミノッソに残った民の事を伝えていたのでしょうか。
 人々の間で志を二分する対立が起こったのかもしれません。


オベリスク
・ここは月の女神が守護する真の理想郷。ルナの聖地、このルミノッソこそ我らが求める救いの土地。

石碑
・黒い霧がルミノッソに立ち込めると謎の奇病が流行りだした。
 人は人の形のまま魔物へと変貌していく。魔物は次々と魔物を生み、街は魔物の住処と化した。
 私は魔物になった夢を見る。この時は素晴らしく気分がよい。
 今では夢と現実の境界が曖昧だ。指先から伸びた大きな爪が邪魔して、文字を刻むのにも一苦労だ。
 肉を引き裂く獣の爪・・・。私も既に魔物になってしまっているのかもしれない。
 神の吐息はルミノッソの地下都市に入り込み、街の人々を魔物の姿に変えてしまった・・・。
 街を徘徊するグールたちは、この街に定住した民の子孫なのかもしれません。

〔ドラス坑道〕
石碑
・王が眠りから覚めるとき、深奥の扉は再び開かれるだろう。
 それは栄光と呼ばれる世界への門。真王となる者が通る道。

・我が名は混沌。我に秩序たる証を顕示せよ。

〔環状世界ハイブラシル〕
石碑
・妖精の王国は汚された。神の吐息に汚された。

・(神代文字)ハイブラシルは環状世界。世界が球体の内側のように繋がっている不思議な場所だ。
 ここは妖精王オベロンが支配する妖精の楽園である。

夜明けのグロリア

〔ジョエリア海岸〕
石碑
・(神代文字)ジョエリア海岸の砂は細かい赤い砂を多く含んでいる。
 これはガーネットで、研磨剤として利用される。ジョエリアの砂は良質な研磨剤なのだ。

〔セリオ海岸〕
・(神代文字)セリオ海岸が夕焼け色に染まるようになったのには理由がある。
 コントラ山脈で発見された魔晶石による影響であると、王立グロリア所管は結論付けている。
 マナの道には世界の外側を循環するものと、王都を中心に広がるものがあり、
 王都からコントラ山方面に伸びているマナの道が魔晶石の干渉を受けて分断され、
 半分以上のマナが負の力に押し戻されているのである。
 大量のマナの放出を触媒にして、森羅万象を司る五大元素が
 セリオ海岸上空付近で乱発生、乱消滅を繰り返しているのだ。
 それが光の屈折を三〜五倍にしているというのが真実である。
 これは浮遊島ラピュータと王都を結ぶマナの道の不安定さから発生するものであり、特殊なケースであった。
 この特異現象により、魔晶石によってマナの道を屈曲させる
 原理が編み出され、新時代の研究分野として注目を集めている。
 マナの道は完全なるバランスに支えられて存在することを彼ら若手の研究者は知らない。
 自然界の力を無理やり歪めようとする人間のおごりは、いつしか大きな失敗を招いてしまうだろう。
 その時がこない事を切に願うばかりである。

〔コントラ山〕
石碑
・(神代文字)この山にはマナに干渉する魔晶石が存在する。
 特異金属を多く産出する霊山だが、脅威とされる現象が起こる可能性を考え、
 天にあるツァオバトの神殿を守るためこの鉱山は閉山を余儀なくされた。
 この坑道の入り口は人為的に崩した跡があります。何かを封印したようです。
 発掘隊に任せるほか無さそうです。


かつての信仰の後でしょうか・・・文字が刻まれています。
 (神代文字)ケンルンシャンマイ。ここは古くは崑崙と呼ばれた霊山である。崑崙とは黒の発音の語源とされる。
 そしてそれは暗黒龍ヴリトラの生まれた場所である。
 もしやヴリトラとは、祖父の仇の黒き龍のこと?
 !!思い出しました。魔晶石のあの色と艶はヴリトラの硬質ウロコとそっくりです。

〔プロメティア天壇〕
石碑
・ユニコーンは神の使者である。殺したものは見えざる呪いを受けるだろう。
 ユニコーンとはこの辺りに潜む馬の姿をした神獣のようです。
 戦闘になっても逃げたほうがいいかもしれません。


・(神代文字)天界の生き物が守護するこの地は神の代理を生むための仕組みである。
 聖杯に神の血を満たし、その血で天壇に魔方陣を描け。

〔イメンス神殿〕
・賢者グロリアは最後の王となった。しかしコントラ山の異変によって神の吐息に取り込まれ、心を失った。
 人々は嘆き悲しみ、グロリアの地を去ることとなった。

・イメンスにはユニコーンが住み着いている。ユニコーンは神、そして王族の象徴である。
 なんぴとたりとユニコーンを殺してはならない。ユニコーンを殺した者には死よりも辛い災いが訪れよう。
 見えざるカルマは魂に刻まれていくのだ。ユニコーンは神の使者ヒトガタが転生した生き物である。

〔プロメティア地壇〕
・(神代文字)天界の生き物が守護するこの地は神の代理を生むための仕組みである。
 聖杯に神の血を満たし、その血で天壇に魔方陣を描け。

〔オロ廃坑〕
石碑
・この洞窟には幻覚作用のある気体が充満している。
 火や松明の灯りに照らされた石ころが不思議と金塊に見えてしまうのだという。
 幻覚キノコを主食としている坑道内のポイゾントードが幻覚性の揮発物質を分泌しているためで、
 オロ坑道特有の現象である。この地方に住むポイゾントードの殆どはもともとは無毒であるが、
 環境によって体内に蓄積される毒の種類が変わるようである。

豊穣のヴィクトリア

〔シャンピノ森林〕
石碑
・ヴィクトリアのエルフ、同族間ではアールヴと呼ぶそうだ。アールヴは世界樹ユグドラシルに住んでいる。
 一部の者はデュエンデの境界に見ることが出来る。デュエンデのアールヴは戒を破り、
 ユグドラシルを追放された者達であり、区別してオスクロアールヴと呼ばれる。
 これはアールヴが聖なる者の意から名づけられたことに由来している。
 肌の色も民族としても同族である。それを隔てるものは罪だけである。
 オスクロアールヴに生まれた者はその罪をただ延々と受け継いでいく。

・ヴィクトリアのエルフ、アールヴ族は神の吐息を逃れる方法を知っている。

・アールヴを見つけるにはデュエンデ境界を探さなくてはならない。
 デュエンデ境界への道の鍵はアイスラムの地にあるだろう。

〔アビスモ大樹海〕
オベリスク
 賢者ヴィクトリアは森に魔法を施した。以来この地は迷い森と呼ばれる森になった。
 ヴィクトリアはユグドラシルをマナの竜巻で包み、マナの泉の危機を救った。
 ヴィクトリアを愛したグロリア王は不死身の体となって、この森を守る守護者となった。
 オベリスクにはもう一つ、傷のような文字も刻まれています。
 王の証の剣を持つ者よ、秘宝の一つを求めるならば、私の後ろを調べるが良い。
 この森の奥にユグドラシルが存在する事は確かなようです。
 オベリスクの後ろに何かが隠されているようです。
 王の証の剣を掲げよ・・・と書かれています。オベリスクの前でカリバーンを天に掲げました。


石碑
・迷い森でグロリア王を見た。王は森の中を彷徨い続けているようだ。
 人の心を失い、魔物と化してしまっても、あの方は世界の最後の王なのだ。

〔コセチア平原〕
石碑
・アビスモの大森林は強力な結界によって守られた樹海だ。不用意に近づいてはならない。
 アーカーシアの葉を忘れずに。死の樹海から自力で帰還するのはまず不可能だ。
 そしてアイスラムの大空洞は魔穴である。大空洞に大岩を落として、
 しばらく耳を済ませても何の音も聞こえない。
 音が風にかき消されるのか、やはり底が無いのか。

オベリスク
・夢と現実の境界、それがデュエンデ境界。ベジェッセよりも美しいエルフの里の一つ。
 ユグドラシルを追われたオスクロ族の住まうところ。

〔アイスラム大空洞〕
石碑
・(神代文字)アイスラムの大空洞には秘密がある。北のオベリスクからまっすぐ南へ進め。
 大空洞の上に見えざる道がある。虹の道と呼ばれるもの、それがデュエンデ境界への入り口だ。
 空に道が・・・。

〔クリフ海岸〕
石碑
・クリフ海岸の断崖絶壁に吹く風は嘆きの遠吠えに聞こえるそうだ。
 いつの頃からか人食いの大狼、フェンリルが住み着いた。
 嘆きの遠吠えがフェンリルたちをこの地に呼び寄せるのかもしれない。

〔世界樹ユグドラシル〕
6階・オベリスク
・聖母ヴィクトリアの碑 ユグドラシルの聖域は聖なるマナシールドによって守られている。
 我らが心の母なる賢者ヴィクトリアの力の賜物である。

麗しのベジェッサ

〔ドラド谷〕
石碑
・ここには金脈がある。しかし神の吐息の流入によって閉山されてしまった。
 私の代ではここに戻ることはないだろうが、この地に訪れる者があることを祈り、この碑文を残すことにする。
 ここにある金で世界を復興してくれ。

・神の吐息に覆われたというのに、ここでは盗賊が止まない。多くのものが神の吐息に侵されてしまった。
 私もヴィクトリアに避難した家族のために、この地に残り金を掘っている。
 ゼラ、ミミト、私はもう愛する君たちの元へ帰れないかもしれない。

〔デュリス湖〕
・かつてこの湖にはおとなしく人懐っこい巨大な化け物がいたそうだ。今は人前にはなかなか現れない。
 村人の話ではイボイボの魔物に変貌し、漁師の船を沈めるようになったという。
 この地にも王都の黒い霧がやってきたのかもしれない。魔物の巣になる前にこの地を離れなければ。

〔ラビオ海岸〕
・(神代文字)空の浮島は元々はクラテア湖であった。
 それは地質と地層の状態が一致することで証明されている。
 長い年月を経て月の影響を受け赤道方面へ引っ張られていったのだ。
 それはマナの泉が作られる以前のことで、誰が作ったのかすら知らされてはいない。
 神がマナの道を作ったよりも遥か昔のことなのである。
 外なる神が介在したこともまた避けられる事実なのだろう。
 私はこれを旧時代と呼び、外なる神の研究を始めた。
 空の浮島は白の魔晶石、いわゆる飛水晶で出来ていることから、
 クラテア湖付近の土地が自然に浮遊したというのが
 学会の通説となっているのだが、私はその説には懐疑的だ。
 ラビオの海岸は空の浮島からこぼれたと思われる飛水晶を含む砂浜である。
 天城ラピュートスの建造はこの海岸付近で行われたと見て間違いないであろう。
 この付近で取れる特産物のラビオ貝は飛水晶がなければ貝殻が育たない貝なのである。
 モグリの錬金術師たちは海水のミネラルから飛水晶の成分を取り出す特殊な生物といっているが、眉唾である。
 そんなバカな・・・神代以前に大地を浮かばせる技術が存在するなんてことはありえません。
 自然に大地が浮くものでしょうか・・・飛水晶とは何なのでしょう。


・(神代文字)全ての謎はセヴェロのバベルの塔にある王立図書館で確認できるであろう。
 そこには旧神代文字の石版が所蔵されているのだ。旧神代文字は誰にも読むことが出来なかった。
 これらの石版の内容が解明されたとき、はじめて大いなる世界の計画が理解できるのだろう。
 セヴェロへ行けば全てが分かるのかもしれません。知識の集積所の異名を持つバベルなら・・・

〔サンダリオ石舞台〕
・この都市は交易拠点として発展した。
 北のセヴェロからもたらされる知識とヴィクトリアの豊富な資源が行き交う都市となった。
 この街は単なる交易の通過点ではなく、美しい自然と過ごしやすい気候から
 多くの貴族が移り住むリゾート地として発展していった。
 貴族は芸術へのよき理解者だった。そしてパトロンを求め多くの芸術家がこの地に集まった。
 有能な知の探究者はバベルの芸術的知識から神代以前のルネッサンスを復興した。
 こうして麗しのベジェッサは芸術の都となった。
 ここはバベルの塔から神代以前の芸術的知識も多く流入したようです。

オベリスク
・サンダリオの石舞台は元来巫女が神託を受けるためのものである。
 この地に奉られたミネルヴァの女神が美はもちろんのこと、知恵と芸術に長けたことから、
 この地ベジェッサが美の国として世界に知れ渡ることとなった。
 ベジェッサのサンダリオは芸術の都市として栄華を誇っていたのだ。
 この地の神の吐息の進行は早く、サンダリオの人々やその才能は一夜にして失われたと聞く。
 闇は美をよしとしないのか、この地を最後に訪れたものとして、この碑を残す。
 いつの日かこの地の文化が復活することを願って止まない。

〔アルシエ高地〕
・空高く伸びる天への梯子、バベルの廻廊は果てしない。プレシオスの山々よりも高くそれは存在する。
 人類の歴史、文化、芸術、様々なものが保管されている。

・(神代文字)王族の秘儀、星の信仰について記す。
 北に見える北極星は不動星とも呼ばれ、天の中心に座している。
 バベルは王都から見て北極星の位置に建てられた。まさに天への梯子なのである。
 北極星すなわち北辰信仰は、帝である北極星と7つの家臣である北斗七星によって教義を成す。
 王都と七つのマナの泉はこの北辰信仰により世界にちりばめられた結界なのである。
 七つのマナの泉は世界に生七角形の形で配された。
 それを頼りにマナの泉の位置を知ることが出来るであろう。その一つは北の塔バベルに他ならない。

〔プレシオス三山〕
・プレシオス三山は休火山であるが、この辺りからは鉄鉱石が多く取れる。
 しかし、この地に流通する鉄はセヴェロ産の良質なものだったため、この鉱山は放置された。

オベリスク
・(神代文字)訪れるであろう王族の子孫に、この秘密の物語を伝える。
 賢者ベジェッサはその才能を開花させるために魔物と契約を交わしてしまった。
 魔族リャナンシーはベジェッサに音楽の才能を与える代わりに、子供を所望した。
 こうしてベジェッサとリャナンシーの間には子供が生まれた。名をペカードという。
 ペカードがベジェッサの子であるなら、王家の血を受け継ぐ魔族が存在することになります。

・(神代文字)訪れるであろう王族の子孫に、この秘密の物語を伝える。
 賢者ファンダシオンは最後の賢者だった。
 クレスタ王からネベガシオンまでの10人の賢者たちを「十賢人」、またの名を「十戒人」と呼ぶ。
 彼らは皆、大崩壊の時を生きた王族たちであった。
 ファンダシオンはまだ幼き乳飲み子であった。クレスタ王は大崩壊を生み出し、世界を混沌に沈めた張本人。
 そして魔都と化した王都に君臨する魔王カーマとなった。
 この内容から見て神代のものではなさそうです。
 賢者たちがグランデ家の者である事実は隠し続けられてきたようです。
 この秘密主義によって意図的に偽王は作られたのかもしれません。
 でなければ千年の間、王族の血を絶やさぬことなど適わなかったでしょう。
 アリシアには可哀想な事になってしまいました・・・。


・(神代文字)訪れるであろう王族の子孫に、この秘密の物語を伝える。
 魔物となり彷徨いしグロリアの王は、母であるヴィクトリアと弟ファンダシオンを守るため、
 アビスモ大樹海に住み着いた。
 ヴィクトリアはその後天寿を全うしアールヴたちによって手厚く埋葬されたそうだ。
 ファンダシオンは迷い森を自力で抜け出すすべを身につけ、方位学、天文学にも精通し、
 後に航海技術の神として崇められる大人物となった。

霊峰セヴェロ

〔ヴァイド岩窟〕
・ドゥヴェルガの生活跡地 この地にはドゥヴェルガというアールヴとドワーフの原種の霊長類が住んでいた。

・ヴァイド岩窟と同じ居住空間を作り上げている遺跡はヴィクトリアのアイスラム大空洞である。
 文化的に見てもオスクロアールヴはドゥヴェルガの習慣を受け継いでいるようだ。
 このことからもアールヴはドゥヴェルガの近種に違いないと言えそうだ。
 オスクロアールヴはアールヴの中でも原種ドゥヴェルガの性質を色濃く残しているのかもしれません。
 しかし、早時期に個人が人生を決めてしまうという個を大切にする方法が、集団的な適応力を鈍らせ、
 滅亡に向かってしまう一つの結果になるのかもしれません。


・ディオス障壁は神の業で作られた。神代以前には存在しなかったようだ。
 ディオス障壁が作られた年代に知識の塔への乗り物が存在したらしい。
 小さな円形のテーブルで浮遊島ラピュータの技術を応用したものだった。

〔ディオス障壁〕
オベリスク
・(神代文字)ディオス障壁の起源
 ディオス障壁は巨大な一枚岩である。
 神代の始まりの頃、第二の月を地上に落として作られた。
 神の使途であるヒトガタたちはいともたやすく空中で加工したと伝えられる。
 月が空に浮くのは高純度の飛水晶を内部に持つからだという伝説もあるが、
 もしかすると、この地にはすでに第三の月が落とされていたのかもしれない。
 プレシオス三山やエスメラルダ火山は鉱物資源の宝庫であるが、採掘される鉱物資源の中には
 地上に存在しない重金属類が含まれる。飛水晶もその一つだ。
 ここで抽出された第二の月のレアメタルは、海上都市アトランティスに運ばれたと言われている。
 神代の始めには月が2つも3つもあったのでしょうか・・・。
 レアメタルがアトランティスに存在するなら手に入れてみたいものです。どんな武器が生まれるか楽しみです。

〔エスメラルダ火山〕
・ドゥヴェルガの子らへ
 我らはヒトガタによって滅ぼされ、生き延びたものは散り散りとなった。
 しかし必ず同胞はここに帰ってくると信じている。我らの三つの秘宝はこの山に隠した。
 忌まわしき封印を解き放ち、再び我らに栄光を。
 やはり、ドゥヴェルガにも聖剣の儀式があるようです。

〔高層塔バベル〕
石碑
・光の神がヒトガタに手渡したとされる神の代理人の証はエクスカリバーであった。
 エクスカリバーは神の血を受け継いだものだけに反応し、真実の姿を現すという。
 神の代理人を決める儀式は神の血を引く者のみが行う神事で、人間の王族には戴冠の儀式として受け継がれた。
 その場所はヒトガタの頃よりグロリアの地と決まっている。
 神事を執り行うには王家の秘宝である宝剣、ロードストーン、聖杯が必要である。
 そして聖杯に浸した神の血をロードストーンで清め、その聖水で天壇と地壇に決められた魔法陣を描く。
 すると天壇と地壇から天界のマナが流れ込み、ユニコーンの住む神殿へ送られる。
 そのとき神殿で宝剣を掲げれば、宝剣は天界のマナを吸収しエクスカリバーとなる。
 エクスカリバーは真王にしか触れることが許されない契約の証なのだ。
 グロリアの戴冠の儀式は神代から続くもので、ユニコーンのすむ神殿とはイメンス神殿のことでしょう。
 王族の血はヒトガタから受け継いだ神の血だったのです。


・王族の三秘宝 宝剣、聖杯、ロードストーンである。
 ここで間違えていけないのは、王家の秘宝は一組だけではないということである。
 あくまで王家の証明は神の血であり、エクスカリバーである。
 そして、それは白のマナの力を操る道具であった。

・賢者セヴェロは知識に長けた男であった。彼は唯一旧神代の文字を読むことが出来たそうだ。
 そこに書かれた「神々の黄昏」という世の終わりを記した内容に驚き、
 旧神代文字の解読法は誰にも受け継がせなかったという。
 「神々の黄昏」はセヴェロの命によりバベル上層に保管されることとなった。
 やはりバベルの上層には旧神代の書物が存在するようです。

・(神代文字)世界を王都を中心に七つの遺跡で囲み、世界をマナで包む。それは神の計画の第二段階であった。
 それ以前のマナは白マナと黒マナに分かれていた。
 白マナのある場所には光を好む生き物が集まり、黒マナのある場所には闇を好む生き物が集まり、
 白と黒、光と闇は森羅万象により均等に分けられていた。

・(神代文字)神代にこの地を治めた光の神は白マナで世界を覆い、自分と同じ形のヒトガタを作った。
 ヒトガタは神の代理として万物の管理を任された。
 ゆえにヒトガタは秩序というものに忠実で、混沌というものを排除した。
 黒マナのドゥヴェルガはヒトガタによって滅ぼされたのだ。
 やがてヒトガタの時代は終わり、ヒトガタの亡骸の中から人間が生まれた。
 ドゥヴェルガの亡骸からはアールヴが生まれた。
 人間は闇を含む光として、アールブは光を含む闇として、互いに歩み寄った。
 彼らは光とも闇とも違う未来を築いていくことだろう。

・(神代文字)知識の塔、空の浮島、海の都市、地底の都市、これらは全て神の知識によって設計された。
 ドロール谷の先のクラテア湖はかつて空の浮島のあった場所だ。
 浮力を得る不思議な力はこの地域の特産でもある飛水晶から得られるものである。
 飛水晶を利用した皿上の乗り物は大変便利なものだった。

・(神代文字)もともとアールヴ族はヴァイドの岩窟に住んでいた推定平均寿命500年の
 ドゥヴェルガという種族であったらしい。
 ドワーフとエルフが長寿であるといわれるのは、そこに由来するのかもしれない。
 ドゥヴェルガから色素の抜けたアルビノ種が誕生し、
 その透き通るような美しい白さゆえに神や悪魔に例えられた。
 この種は太陽光に弱く、主に夜行性であったこともあり、好奇や差別の目で見られることもあった。
 衝突を避けるため、少数派の白のドゥヴェルガ、すなわちアールヴはヴィクトリアへ移り住んだのだ。
 セヴェロに人間が住むようになるとドゥヴェルガはいずこかへと消えてしまった。
 集団力の薄いドゥヴェルガは人間に弱かったのだ。
 ドゥヴェルガの一部は洞窟に住み着く魔物ドワーフとなった。

・(旧神代文字)賢者セヴェロ、ディフキルム=グランデが秘密の名をここに記す。
 王家十戒人の名を永遠に封ずる。
 甥ネベガシオン
 甥レアルタード
 妹アルレデート
 弟アクティード
 ディフキルム
 母バードルエ
 兄ソームラ
 叔父ヴァーグ
 祖父ナーダ
 父クレスタ
 これが十賢人の本名・・・大崩壊以前に知られていた王族たちの名。
 神の血を守るために、彼らは真の名を捨てました。
 では祖父が賢者レイノとなったのはなぜ?
 セビオ=グランデが王族であることを知るものがいたはずです。
 そしてその者は私や父に王族であることを気づかせようとしたのかもしれません。


・(旧神代文字)神々の黄昏
 世界はこの世界の前に二度滅んだ。最初の世界は光だけがあった。
 光はいつしか内なる黒い欲を吐き出して自らを汚した。汚れは星を黒く染め上げていった。
 こうして世界は光を失い、闇の支配するところとなった。
 闇が世界を覆ったとき、サンスカーラの神柱トリヴァルガーが現れ、ニルヴァーナが起きた。
 こうしてテラという星が滅んだ。
 星を失った000は新たな星を作るために外なる神を呼び寄せた。
 外なる神は星の亡骸である霊雲にたくさんの月を落とした。
 こうして我々の住む世界がもう一度作られ、光と闇は平等に分かたれる。
 そうして第三の世界が始まった。
 これが旧神代以前の出来事であるのなら、やはり旧時代には白マナと黒マナが
 平等に存在する世界があったのです。
 大崩壊は内なる欲望によって始まり、世界をもう一度闇にしてしまいました。
 この後、我々人間に訪れるのはニルヴァーナという星の死なのでしょう。
 そしてまた新しい星が作られ・・・このライフサイクルは永遠に続いていくのでしょうか。
 ならば、滅びは神の計画として既に実行に移されていたと言えないでしょうか・・・。
 我々はその神のライフサイクルに巻き込まれ、ただ指を咥えて見ているだけということ・・・。
 ディフキルム=グランデは千年も前にこの事に気づき、挫折し、この書を封印しました。
 私たちに出来ることなんて本当にあるのでしょうか・・・。


・(旧神代文字)神がこの世界を作られた頃より、この世界には二種類の神聖剣がある。
 ヒトガタに与えられたものを光聖剣エクスカリバーと呼び、
 ドゥヴェルガに与えられたものを闇聖剣ダインスレイヴと呼ぶ。
 エクスカリバーもダインスレイヴもこの世界には神霊として存在し、
 戴冠の儀式によって神霊を召喚する形を取っている。
 宝剣がエクスカリバーとなるわけでなく、あくまで召喚のための道具でしかない。
 召喚によって誰かが真王となれば、エクスカリバーは前の持ち主の手を離れてしまう。
 そして真王の証を失ったものは二度とまたエクスカリバーを手にすることは出来ないという。
 エクスカリバーは真王の証、誰かが真王になれば自然と先王は真王の証を失います。
 であるならクレスタ王はグロリア王が誕生したときには、
 既に真王の力を失っているということになります。
 ダインスレイヴは神霊としてこの世界に留まっているのでしょうか?
 ドゥヴェルガが絶滅したならそうなのかもしれませんが、
 それなら何故世界は神の吐息に満たされていったのでしょう・・・。
 やはり人間と同じようにアールヴにもダインスレイヴが受け継がれたと
 考える方が合理的かもしれません。
 マナの泉はダインスレイヴによって枯れ、神の吐息を生じさせたに違いないからです。
 しかし大崩壊は王都から始まりました。
 王都のマナの泉は世界を圧倒するほどの力があるに違いありません。
 しかし何故王都で・・・???まさか・・・
 戴冠の儀式でクレスタ王が手にした聖剣こそがダインスレイヴであったのでは?


・(旧神代文字)000は神界の神々の総称である。3つの神に大別して表現される。
 創造神、維持神、破壊神。この中で人間にもっとも大切な神は維持神であろう。
 維持神は人間に繁栄をもたらす神。我々を守護してくれている。
 時としてヒトガタという生き物に生まれ変わり助けることもあるという。
 維持神が大切にするものはバランスなのである。
 バランスを保つ世界はバランスが続く限り末永く続くのだ。
 しかし、ひとたびそのバランスが揺らげば、たちまち破壊神が世界を終わらせてしまうであろう。
 変化のない世界に創造神は容赦をしないであろう。
 ゆえになかなかバランスを保つことは出来ないのだ。これがこの宇宙の根本原理なのである。
 000という神柱は創造神、維持神、破壊神の集合体のようですが、
 誕生と滅びを繰り返す神のライフサイクルとも取れます。


・(旧神代文字)トリヴァルガーは人間の生き方が生み出す審判者であり、救世主だ。
 愛欲と富欲と智欲が一つになって生ずる最強の内なる闇である。
 それは神の血を受け継いだ王族の最後の姿であり、世界を終わらせる役目を背負わされた
 世の罪を一身に背負う者である。
 純粋なる闇の名はペカード、シャパルロンを生みトリヴァルガーへと進行する。
 トリヴァルガーを地上に出現させるにはカーマ、アルタ、ダーマの三つの汚れた魂が必要である。

 
・(神代文字)マナの泉に真王の証を掲げよ。

水のミサリコルディア

〔バンコレアナ廃街〕
・(神代文字)円台は念じれば移動する転送装置である。
 心に「アトランティス」と念ずるだけで海上都市アトランティスへ移動できる。

・(神代文字)目を閉じて、ただ心に念じよ。

〔オッソ密林〕
・オッソの森は暗い密林である。かつてはアールヴが住む癒しの森だった。
 しかし大崩壊によって魔獣が住むようになると、アールヴたちはこの地を去ってしまった。

〔イヌンダク湿原〕
・賢者ミサリコルディアは女性でありました。知的で歴史をよくご存知でした。
 ミサリコルディアはセヴェロと並ぶドゥヴェルガの聖地です。
 その昔、ヒトガタという巨人が彼らを滅ぼしてしまったそうです。
 賢者ミサリコルディアはこの事にも心を痛めておいででした。

・溢れんばかりの水量を誇るイヌンダクは洪水の多い土地でもある。
 木はある程度成長すると枯れてしまうため巨木が育たない。周囲には底なし沼もある。

〔コラドル丘陵〕
オベリスク
・(神代文字)アトランティス
 この地には海上都市アトランティスが存在する。
 第二の月はセヴェロからゆっくりと空を移動し、半分がここに落とされた。
 アトランティスへは船で移動しなかった。
 者の流通はオリハルコンの力でバンコアレナからアトランティスへ行われていた。

〔海上都市アトランティス〕
・(神代文字)ルルイエ
 ドゥヴェルガの種族と外なる神々は、独特の信仰を持っており、
 このアトランティスをルルイエと称するようだ。
 かつて南にあった大陸の残骸が、最初の滅びの後にこの地まで移動したためであるという。
 そこは以前ムーと呼ばれる大陸であった。このルルイエに第二の月の残骸が運ばれたのは、
 伝説を信じ、ルルイエの再興を願う者たちがいるためであった。

石碑
・どうやら俺の人生最後の仕事が決まったようだ。
 オリハルコンはやつらにはわたさねぇ。俺がラピュータへ去ったら転送装置を破壊しろ。
 しみったれ・・・最後まで男らしく生きろよ・・・じゃあな

・(神代文字)偽書とされる失われた碑文群の中には面白いものがある。
 その最たるものが神の計画によって地上に第二の月が落とされたという内容である。
 長いので要約すると、天界の神がこの世界を監視し、変化を導くことを神の計画と呼んでいるようだ。
 そして、神々は神の計画が失敗すると月を落として世界を破壊してしまうのだそうだ。
 そんな自分たちの都合で月を落とされたり世界が滅びてしまうのではたまったものではないが、
 偽書碑文群にはこのような内容のものが少なくなく、過去に起きた何らかの出来事を残していると思われる。
 ヒトガタの時代には無かった内容のため偽書とされたが、
 アールヴに口伝えで伝わったものがあるのかもしれない。

・大崩壊の影響でいくつかの大事な石版はラピュータへ移された。
 そして、貴重なオリハルコンも原石は全てラピュータへ送られた。
 その後、ラピュータとを結ぶ転送装置は破壊された。
 以来、人がラピュータへ行くすべはなくなってしまった。

彷徨えるサビドリア

〔プリシオン砂漠〕
・ノボルバ郷とは帰らずの里という意味らしい。かつてカムロドゥノンという街だったが今は廃墟である。
 踏み入れた者の中には活気のある幻の街を見たという者もいるが、
 再びこの街に向かって帰ってきたものはいないという。
 以来帰らずの里ノボルバ郷と呼ばれるようになった。

〔ラベリント砂漠〕
・この先ラベリント砂漠。この迷宮砂漠は必ず迷うので無闇に入らないこと。
 ラベリント砂漠の先には大ピラミッドとオアシスがある。

(オアシス)
オベリスク
・(神代文字)サビドリアの砂漠はドゥヴェルガの呪いによって生まれた。
 ドゥヴェルガから生まれたアールヴたちは改心し光を求めた。
 しかし、闇の神であるドゥヴェルガはそれをよしとしなかった。
 光に寝返ったアールブはサビドリアに集められた。そして、ドゥヴェルガはこの地に呪いをかけた。
 「そんなに光が好きならば光だけの世界を与えてやる。雲の無い世界を、雨の無い世界を」
 こうしてサビドリアは灼熱の土地となった。
 サビドリアの神話 砂漠の起源

常夜のエンテンディエンド

〔ポタラ廃街〕
・(神代文字)ポタラについて
 ポタラは地上の都であったが、本当の都は地下にある。
 黒マナに弱い殆どの種族が安心して住める場所はエンテンディエンドには少ない。
 そこで、地下のマナの泉を拠点に巨大な地下都市が建造された。それがシャンバラである。
 シャンバラはマナの泉のお陰で生命の循環を上手く保っていた。
 氷河に覆われた極寒の世界に出来た温泉地のように人々を温め癒す場所となった。
 ポタラはサンスクリットのポータラから生まれた名で、入り口の意味がある。
 補陀落山のことであり、ポータルの語源でもある。

・(神代文字)常夜の現象について
 歴史書でも神の吐息はエンテンディエンドを襲ったと言うが、それは間違いである。
 神代よりこの地にこの現象は続いていた。
 世界が白マナに覆われてもなお、この地には黒マナが残されたのである。
 ドゥヴェルガから生まれた亜種族は、このエンテンディエンドに住んだ。
 オスクロアールヴがアールヴ全体から差別されるようになったのは、
 オスクロ族の神の吐息への耐性が他族と比べ著しく突出していることにも由来しているようだ。
 アールヴはドゥヴェルガを祖とする種族にしては光に依りすぎてしまったとも言える。
 大陸の西はドゥヴェルガ信仰が多いためか、闇に対して寛容な内容が続きます。
 旧時代の西は黒マナの世界だったのでしょう。
 オスクロアールヴが世界の半分を支配し、地位も逆転していたのでしょう。

〔デザイム樹海〕
・(神代文字)デザイムの森は死霊で溢れる死の森である。
 かつてはドゥヴェルガの住む深い森であったが、殆どの地をヒトガタによって焼き払われ滅ぼされてしまった。
 ドゥヴェルガの魂は今もこの森を彷徨い続けている。

〔ルナ砂漠〕
・月の砂漠
 このルナ砂漠は神の吐息の闇に包まれた砂漠であるが、
 大崩壊以来、空の闇は一層深いものとなったはずであるのに月が顔を覗かせている。
 あれは月なのだろうか、それともルナという月の魔物であろうか。

〔アゴビアド岩窟〕
オベリスク
・(神代文字)風の精霊の生まれる場所
 ここは立ち上る黒マナと白マナが反発して巨大な竜巻が生まれる場所。
 この地のマナは世界で最も濃度が高いといわれている。
 下層に白マナが入り込むために上空には闇のドームが作られる。
 このことから白マナの方が比重が高く、黒マナと白マナは水と油のように混ざり合わないことが分かる。
 殆どの場合はどちらかのマナに打ち消されるが、2種類のマナが噴出するこの土地特有の現象のようだ。
 この黒マナのドームによって空は光を失い、エンテンディエンドは常夜の国と呼ばれるようになった。

〔地底世界シャンバラ〕
オベリスク
・エンテンディエンドで地下世界が発達したのには理由がある。
 ヒトガタがドゥヴェルガの最後の生き残りを殺した地がここだった。
 ドゥヴェルガはマナを逃れて地下へと逃げ、地下世界を作り出したのだ。
 最後の黒マナの泉が白マナとなった時、シャンバラはヒトガタの手に渡った。

石碑
・(神代文字)旧世界の神に火の神あり、名はクトゥグァ。
 太陽の中に生まれる生ける炎。サドビリアに住む。
・(神代文字)旧世界の神に水の神あり、名はクトゥルフ。
 深き淀みに沈む水の邪神。ルルイエに住む。
・(神代文字)旧世界の神に土の神あり、名はショブ=ニグラース。
 千匹の仔を孕みし黒き豊穣の女神。深き所に住む。
・(神代文字)旧世界の神に風の神あり、名はハストゥール。
 名づけられ難き異世界の邪神。ディシムラードに住む。

古の王都コロナ

〔王都西域〕
石碑
・「星の誕生の研究」
 命の宿る星は霊雲という霊的なガスが満ちることによって作られる。
 命の宿らない星は月のようになってしまう。月は星の死骸なのである。星は神の業によって作られる。
 源には霊雲が在り、霊雲に外なる神が宇宙を飛び回って集めてきた星星の死骸を落とすことで、
 星が生まれると考えられている。
 外なる神はいわば、水中のプランクトンのように、宇宙を掃除し、
 星を生むための資源を運ぶために存在しているのである。

・「プリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)におけるパラダイム」
 この世界の物理学の基盤は土水火風光の五大元素に由来したが、闇と似た性質の無が存在することが分かった。
 我々はこれを空と表すことにした。
 空は全ての属性に影響を受けず、また与えない存在と説明されるが、
 正確には全ての元素がバランスよく満たされ、安定している状態であるという。
 この空の研究は術式に転用され、ウェイブやグラビトンレインという
 無属性魔法を作り出すまでに至る。空の概念をさらに推し進めると波動力学や量子論というものになるのだが、
 この研究は大変危険であるため、王立研究所の中でも極秘とされた。
 最も危険とされた分野は錬金術者たちが実現できなかった元素変換の研究である。
 世界にはウラン235という天然元素が存在し、これに中性子を一つ当てウラン236としたものが
 クリプトン92とバリウム141に元素変換される核分裂反応を生む。
 この化学反応は火薬兵器の百万倍という高エネルギーを発生させ研究機関が一つ消滅した。
 後にアトムの力と名づけられ、以後王都での研究は禁止された。
 しかしエレメンタリストたちの究極研究テーマとして、この分野の人気は非常に高い。
 旧時代の記述にはこの研究が実用化され、後に世界は滅んだとも記されているという。

・「王都の西域」
 王都西域は日の出が遅く、日の入りも遅い。夜を楽しむ文化が発達し、芸術も盛んであった。
 西域に中下流階級が作られたのは、芸術のお陰であった。
 一般市民以下の身分の者でも、芸術的な交流によって、
 評価される人間になれば、西域に住む資格が与えられるのだ。
 没落貴族であってもすぐに東域へ追いやられることもなくなった。
 こうして新しい文化基盤が整備され、西域は次第に趣向の面でも豊かになっていった。

〔王都東域〕
石碑
・「マナの泉と民俗学」
 北辰とは天の中心の星、北極星ポラリスのことである。
 古くから帝と呼ばれ、王家を象徴する星であった。
 寄り添う北斗七星は帝を守護すると考えられた。
 星の心臓のある王都を北辰に例え、七つの星をマナの泉に例えて説いた。
 不思議なことだが、一年という長さは7を3回掛けた数に近いことが分かる。
 この世界の天の運行は14ヶ月で一年、2ヶ月で1星と定められた。
 この世界の月の公転周期が26日であることから、上手い具合に収まっているのである。
 マナの泉にはそれぞれドゥーベ、メラク、フェクダ、メグレズ、アリオト、ミザール、
 ベネトナシュという七つの星の名が割り振られている。
 マナの泉はこの周期で活性と不活性を繰り返している。
 これらを総称してマナ暦と呼び、農耕や政などあらゆるものを定める基準となっている。

・「王都の信仰について」王都の信仰は太陽と月と星の信仰である。
 太陽は男性を、月は女性を、星は子を表しているが、それぞれの意味は峻厳、慈愛、
 そして未来あるいは希望である。
 同時に維持、破壊、創造の三神をも表しているといわれている。

・「王都の東域」
 王都東域は日の出が早く、日の入りも早い。
 東側に貧しいものが集められたのは、早起きで勤勉な下層民を作り、
 クリーンな街を整備するためであったという。
 また、王都には西風が吹き付けているため、下層民の町の匂いが、
 上層民の町に流れないように配慮もあった。
 疫病などの対策も徹底されており、各エリアは区画ごと封鎖できるように平等に設計されている。

〔王城〕
オベリスク
・(旧神代文字)論文「星の心臓とは何か」
 星の心臓は特異な場所である。星の内部には高圧をかけられた液状の物質が対流している。
 これは旧世界ではプルームテクトニクスと呼ばれた現象である。
 プルームは対流の圧力と摩擦によって生じた熱によって浮上し、
 地表付近で冷やされて沈むことを繰り返す。
 大気の対流と同じように、マナの対流と同じように、この運動は途切れることなく続いている。
 大気と違うのは、プルームはサッカーボールの表面のような六角形を敷き詰めた構造となって
 規則的に運動している点にある。地表のプレートが規則的に動くのは、
 このプルームの運動が規則的であることを証明しているといえる。
 星の自転と公転の作用、月の潮汐作用、そしてプルームの作用。
 それらが重なる特異点が地表には生まれるのである。
 その場所では星の内部からマナが無尽蔵にあふれ出る。それが星の心臓。
 世界のエネルギーの源であり、星の急所である。



トップに戻る